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遺言書作成・成年後見・家族信託

遺言書作成

遺言書作成

遺言書作成から始まる第二の人生

だんだんと歳を重ねると、「自分がいなくなったあと」のことを考えることも多くなります。

そこで一番に気がかりなのは、やっぱりご家族のこと。

「子どもや孫たちはしっかりやっていけるだろうか・・・」「この家はどうなるのだろう・・・」

お友達やご近所さんから「遺言書は書いといた方がいいみたいよ」なんて聞いて、一度は頭をよぎったこともあるかもしれません。

 

「でも、うちにはそれほど財産もないし、遺言にするようなことはあるだろうか? なんかめんどくさそうだなぁ。それにまだピンピンしてるから・・・」

 

こうして結局、実際に遺言書を作るところまで至らない方も多いようです。

確かに、人生100年と言われる時代。お元気な方にとっては、遺言書を作るタイミングも見極めにくいですよね。

でもこの考えが後に、大切なご家族の人生をめちゃくちゃにしてしまうことがあります。

  • 仲の良かった親戚が顔も合わせなくなる
  • 兄弟が縁を切る
  • 身内同士が裁判で争う

あなたの想いとは裏腹に、まさかの修羅場。

こうなるとみんな、「なんでちゃんと遺言書作っておいてくれなかったの?」なんて、心の中であなたを責めてしまうかもしれません。

 

人は自分がいつ亡くなるのか、誰も知りません。

年齢に関係なく、私も、あなたも、また明日元気でいるとは限らない。だから、遺言書を作るタイミングって、本当は誰にとっても「今」しかないのです。

もちろん、遺言書を作ったからといって、すぐに人生の終わりを迎えるわけではありません。

ですから、私は「遺言書は第二の人生のスタートなんですよ」と、みなさんにお伝えしています。

 

当事務所では遺言書の作成にあたり、まずはエンディングノートの作成から取り組んでいただいております。

そうすることで、遺言書作成に必要な情報を集めるのと同時に、過去、現在、未来にわたってご自身の人生を改めて見つめ直す時間が生まれます。

 

さて、この遺言書が完成したとき、あなたはこれから何をしようと思うでしょうか?

きっと、遺言書を作る前のあなたとは、選択肢が大きく変わっているはずです。

忘れていた夢、やってみたかったこと、ちゃんと伝えておきたい想い・・・

生きている“今”しかできないことに目を向け、もう一度夢中になれるのです。

これが、当事務所が「遺言書は第二の人生のスタート」だと考えている理由です。

 

1:エンディングノート作成

エンディングノートは遺言書と違い、法的な効力はなく、形式や内容にも決まりはありません。

書店などに行くと市販のものもありますが、とくにご希望がなければ、当事務所のオリジナルのエンディングノートをお使いいただいています。

書いていただく内容は

  • 学生時代の心に残るエピソード
  • めざしていた夢
  • 一番楽しかった旅先
  • 一番恥ずかしかったこと
  • 好きな場所
  • 好きな色
  • 好きな食べ物
  • 嫌いだったこと
  • 財産に関すること
  • 自分の葬儀の希望  

など

エンディングノートを使いながら、あなたと、あなたに関わる人々、遺される財産について一緒に整理をし、どのような遺言にすべきか一緒に考えます。

 

2:内容に関するアドバイス・提案

亡くなったあとの相続は相続人も財産も確定してしまっている状態なので、そこからできることは限られています。しかし、遺言書作成のように、生前に行う手続きについては、私たちのような専門家も幅広く提案を行うことができます。

遺言書をのこすメリットとしては

  • 相続人同士が迷ったり争ったりすることなく相続手続きができる
  • 分割協議がスムーズに進む
  • 法定相続人以外にも財産を分けることができる

このようなことが挙げられますが、一番は何と言っても、亡くなったあとにあなたのご意向をしっかり反映させられる、ということです。

誰を相続人にしてどのように分割するか、また、相続税をできるだけ抑えた分割方法など、専門家が知見を生かしたアドバイスを行うことで、あなたにとっても相続人にとっても非常に有意義な遺言書を作成することができます。

 

3:公証役場での手続き

ご依頼人のご要望とこちらからの提案もふまえ、法的に無効とならないようにチェックをしながら、遺言書を作成していきます。

最終的な文案が固まったら、ご依頼人とともに公証役場に行き、公正証書遺言を作成します。

この際、相続財産が明確にわかるように固定資産評価証明書や不動産の登記事項証明書などの書類が必要となりますが、これらの用意も当事務所が代行しております。

話し合いをしながら遺言書を作成するので内容はすでにご理解いただいていると思いますが、手続き終了後に今回の公正証書遺言について改めてしっかり説明を行います。

また、先々、不動産の売却や生前贈与などで財産に変動があった場合は、公正証書遺言を作り直すことも可能です。ご心配であれば、内容の確認は無料で行っておりますので、数年に1度くらい見直してみることをおすすめします。

※無料で行う内容の確認は、当事務所を通して作成した遺言書に限ります。

 

成年後見

成年後見

成年後見とは

医療の発展とともに高齢化が進み、ご長寿のお年寄りが増えている昨今。しかし、実際にはそのお年寄りすべてが元気に動き回れるわけではなく、寝たきりであったり認知症を発症するなど、要介護の方もたくさんいらっしゃいます。

要介護期間は次のような算式で表されることがあります。

 

『要介護期間=平均寿命−健康寿命』

 

そして、現在の要介護期間の平均は、男性が約9年、女性が約12年とも言われています。

自分が思うように動けない時間がこんなにあるなんて、なかなか長いと思いませんか?

こうなってしまった場合、たとえば

  • 銀行に行ってお金を下ろす
  • 新たにアパートを借りる
  • 孫のために支払いを代わってあげる

こんな日常生活の一部が、簡単にできなくなってしまうのです。

成年後見とは、認知症やその他の疾患から正しい判断ができなくなってしまった場合でも、その方の権利や財産をしっかり守るために、家庭裁判所を通して「サポート役」を選ぶ制度です。

サポートをまかされた人(後見人)は本人に代わって、預貯金の管理、福祉サービスなど各種契約の締結、遺産分割協議、不動産の売買などを行うことができます。

成年後見には大きく次の2つの方法があります。

  1. 任意後見制度・・・・・本人に判断能力があるうちに、自分が選んだ人を後見人にする
  2. 法定後見制度・・・・・すでに判断能力が落ちてきている人に、裁判所がサポートする人を選ぶ

同じ成年後見でも、被後見人がどのような状態であるかによって利用できる制度が異なります。

 

任意後見制度と法定後見制度の違い

任意後見制度と法定後見制度の大きな違いは、「サポート役に選べる人は誰か」ということ。

任意後見ではあなたが心から信頼し、望む人にその役目をお願いすることができますが、法定後見の選任ではあなたの意思は反映されません。

成年後見制度を利用して一度サポートする人が選任されると、原則はご本人が亡くなるまでその人とお付き合いしていくことになります。

先ほど述べた通り、要介護期間の平均は9〜12年。自分が自由に動けなくなってからのこの長い時間を安心して過ごせるかどうかは、サポート役の人との関係性によるところも大きいでしょう。

 

現在は、要介護状態になってから法定後見制度を利用される方が多く、任意後見制度を活用されている方はごくわずか。

その理由として考えられるのは、任意後見は“事前準備”という側面が強く、「自分はまだまだ大丈夫」と考えている人がなかなか動き出せないからだと思います。

やはり、誰しもが「自分が認知症になったら・・・」そんな想像をするのは心理的に避ける傾向があるのですね。

 

しかし、本当に切羽詰まってからでは遅い、というのが成年後見の難しいところで、この制度自体が判断能力が不十分な方のためのものなので、何かあってからではご自身が望む人にサポート役をお願いすることができなくなってしまうのです。

ですから、もしあなたが、なるべく自分が思い描いた老後に近い生活を実現させたい・・・と思うのであれば、何かが起こる前に任意後見制度の活用を検討することをおすすめします。

 

任意後見制度を活用するには

任意後見制度は、この制度を知り、ご自身や家族の将来に備えようと思う方が自主的に利用できる制度です。

ですから、任意後見人を選び、その人と“任意後見契約”を結ぶことが、まず始めの手続きとなります。

通常はご自身が元気なうちに契約を交わすので、すぐに後見人の活動が始まることはありません。

実際のサポートは、被後見人の判断能力が下がり、任意後見人などが裁判所に申し立てを行い、審判が確定したときから始まります。

 

成年後見制度に関する手続き

司法書士おと総合事務所では、今後ますます増えるであろう高齢者がより安心して穏やかな生活が送れるように、また、介護の悩みを抱え苦しんでいるご家族の方のお役に立ちたいとの想いから、成年後見業務にも力を入れています。

契約書や申立書の書類作成だけでなく、成年後見人も積極的に引き受けておりますので、お気軽にご相談ください。

当事務所でのサービス

  • 任意後見契約における原案、公正証書作成
  • 任意後見、法定後見の成年後見申立書類作成
  • 成年後見人の引受

 

家族信託

家族信託

家族信託とは

任意後見制度とともに、近年、認知症対策として注目されているのが家族信託。

家族信託とは「財産に関して、管理する権利だけを信頼できる家族に移す」というものです。

たとえば、不動産の所有者だった父親が、認知症などによって自身の意思が表わせなくなった場合。

法的にその不動産の所有権を持つ人以外は、売る、貸す、壊すなどの行為を行うことができないため、事実上、その不動産は誰も管理ができない状態になってしまいます。

 

「それなら、成年後見制度を利用したらいいのでは?」

 

そう思う方も多いと思いますが、実は成年後見制度というのは、被後見人の権利や財産を守る役目という大義名分があるため、不動産の売却のような手続きは、よほどの合理的な理由がない限り、裁判所から認められることがありません。

これが、成年後見制度のデメリットにもなっています。

一方で、認知症などが発症する前に家族信託の手続きを行っていれば、所有権は父親にあっても、家族が管理できるので、その都度必要な手続きがスムーズに行えるようになるのです。

ですから、成年後見がカバーしきれなかった不便さを解消することからも、家族信託はとても便利な制度と言えます。

 

家族信託と生前贈与の違い

家族信託の制度は認知度も低くまだまだ新しい手続きで、ご存知の方が少ないというのが現状です。

この制度が始まる前は、不動産などの管理をすべて引き継ぐための手続きとして生前贈与が主流でした。

生前贈与では、所有権を丸ごと移すので、場合によっては贈与税が大きくなるという負担があったのです。

管理する権利だけを移す家族信託では、贈与税はかかりません(委託者=受益者の場合)。ですから、税金面からもとても便利に利用できる制度となっています。

しかし、家族信託にはデメリットもあります。

  • 生前贈与よりも新しい手続きのため取り扱いに慣れた専門家が少ない
  • 信託内容の調査や契約書作成に豊富な専門知識と手間が必要
  • 財産の価値や専門家への報酬なども鑑みると、生前贈与のほうが費用が抑えられる場合がある

以上のことも踏まえ、手続きを行う際には依頼先の専門家とも十分に話し合って進めることをおすすめします。


参考 家族信託と生前贈与における費用面の違い

家族信託 生前贈与
贈与税 非課税 課税
不動産取得税 非課税 課税
登録免許税 課税(0.4%) 課税(2.0%)
所有権移転登記 必要 必要
司法書士報酬 生前贈与よりも高い 家族信託よりも安い
税理士報酬 不要 必要

 

家族信託に関する手続き

当事務所では、家族信託に関する手続きも承っております。

任意後見制度と同様に、家族信託は「生前にできる有意義な相続準備」であると考えます。まだまだ一般の方には馴染みのない手続きかもしれませんが、今後広く知っていただき、この仕組みを有効に活用される方が増えるよう、微力ながら尽力していきたいと思います。

当事務所でのサービス

  • 信託財産の調査
  • 信託内容の提案
  • 信託契約における原案、公正証書作成
  • 所有権移転登記

相続トラブルに巻き込まれている方の多くは「うちでは揉め事は起こらない」と高をくくっていたご家庭です。

リスクを見落とし、必要な配慮や感情の調整をしないまま手続きを進めてしまって後悔している人がたくさんいるのです。

しかし、この事実に気がついたなら、あなたはそうなることはありません。

すべての相続人に公平・中立となる第三者の私たちに手続きをまかせることで、穏やかに相続を終えることができるでしょう。

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