相続相談は税理士?会計士?不動産があるなら司法書士がベストな理由
遺産を相続することになったとき、どこに相談すればいいのかわからない。
このようなお話を聞くことがあります。
また、このように今も悩んでおられる方もいらっしゃることでしょう。
では、誰に依頼すればいいのかと地域の会報などを眺めてみると「無料の相続相談」を役所や図書館などで行っておられる中に
- 税理士さん
- 会計士さん
がいらっしゃいます。
しかし、あなたはこの2つの仕事の違いがわかるでしょうか?
そして、この仕事の方が、どの程度までの相続手続きを行うことができるのかご存じでしょうか?
実はここがよくわからないまま無料だからと相続相談をし、そのまま依頼してしまうと最後の最後に
「相続の手続きをやり直し」
という、これまでの苦労がゼロになる(もしかするとマイナスになる)こともあるのです。
そこで今回は、このようなことにあなたが出会わないために、相続の専門家である「おと総合事務所」が、あなたにあった相続手続きの依頼先をお伝えしていきます。
1: 税理士さんと会計士さんの違いを知ろう
まず、無料相続相談を行われていることが多い、税理士さんと会計士さんの違いについて紹介します。
■税理士さん
日常でも耳にすることの多い「税理士」という言葉。
でも、具体的にどのような仕事をされるのか、わかりにくい部分があります。
税理士さんは簡単に言うと「税に関する専門家」です。
私たち納税者が税金を払いすぎないように、きちんと税金を納めるようにサポートしてくださるお仕事です。
■会計士さん
公認会計士の資格を取得すると、税理士会に申請することで税理士の資格を付与されます。
ということは、会計士さんの多くは税理士さんでもあるわけです。
ただ、会計士さんの仕事は「税に関すること」だけではなく、会計の専門家といった方が適切です。
ですから会社経営や投資をされていない場合、会計士さんと出会う機会はあまりありません。
そのため、一般的に「会計士」という言葉は馴染みが薄く、何をしてくれる人なのかわからない方が多いのだと思います。
2: 相続相談ができる専門家とは
次に知っておいていただきたいことは、相続相談ができる専門家についてです。
税理士さんが相続相談を受けられる理由は「相続税」が関係しているからなんです。
「税の専門家」ですから、相続税に関してはプロです。
ですから、税理士さんは「相続した内容から適切な税金を払えるのか」を教えてくださいます。
しかし、ここで注意深く見ていただきたいことがあります。
それは、税理士さんは「税の専門家」であって、相続手続きの専門家ではないということです。
特に相続する内容によっては、税理士さんだけで完結できない場合もあります。
それでは、相続相談できる専門家を見ていきましょう。
■税理士
税のプロです。ですから相続税に関しての専門家です。
あなたが相続手続きを自分で行い、相続税の部分を相談する場合は適切な専門家となります。
■弁護士
法律の専門家です。
刑事事件から訴訟、交通事故や借金まで、どのような問題も対応できます。
また、弁護士さんはすべての裁判所における代理権を持っています。
当事者の代理人として交渉することもできます。
ですから、相続に関しての相談や手続きをお願いすることができます。
ただ、弁護士さんは積極的に相続相談や手続きを受けておられません。
弁護士さんが相続に関わられるときは、相続で紛争が起こっているとき。
相続で一番イヤなケースになったとき、最後に登場してもらう方です。
■司法書士
司法書士は「不動産登記」や「相続」の専門家です。
もしあなたが相続をする内容に「不動産」が含まれているなら、不動産の所有権移転登記をすることになります。
このような不動産に関係する手続きを、あなたに変わってできるのが司法書士です。
また、司法書士は裁判所へ提出する書類を本人に代わって作成する権限がありますので、相続で発生する
- 遺言書の検認
- 相続放棄
などの手続きを行うことも可能です。
さらに、
- 遺産分割協議に必要な書類作成
- 相続人を見つける
- 相続人から戸籍謄本などを集める
相続を行うときに面倒なことを、あなたに変わってできるのが司法書士となります。
3: 相続ってやっぱり面倒!?放っておくともっと面倒です
ここまでお読みなって、「相続、面倒だから放っておこうか」と心の中でつぶやかれた方がいらっしゃるかもしれませんね。
実は、放っておいてもすぐにペナルティはありません。
しかし、数年間、数十年間放置しておくと、人間関係が変化していくため、いざ不動産の名義変更をしようとしたとき、
- 相続人が増えていた
- 増えた相続人が納得しない
- 数年前にはOKと言っていた兄弟が、今はNGという
このようなことが起こる可能性があります。
多くの場合、こういうことが発生すると、相続をまるく治めるために時間と労力が必要になります。
場合によっては、弁護士さんに依頼する必要が出るご家庭もあるでしょう。
どちらにしても、気持ちよく相続することができなくなりますから、後からこのような思いをしないためにも、
相続人同士の気持ちが変わらないときに、相続手続きを進めていただきたいと思います。
4: 相続に不動産があるのに依頼先を間違えると・・・
先ほどもお話しましたが、相続の内容が「現金」「預金」だけでしたら税理士さんに依頼されても良いと思います。
でもほとんどは、家や土地をお持ちでしょう。
山林をお持ちかもしれません。
賃貸物件を所有されているかもしれません。
このような場合、どうしても不動産に関する知識と手続きが必要です。
また、不動産に関する手続きを代理できるのは
- 司法書士
- 弁護士
このどちらかになります。
ですから、あなたが相続相談をされるときには、不動産があるのかないのかを知っておく必要があります。
「不動産は見あたらないけれど、自分が知らないだけであるのかも?」
という疑問がある場合、不動産がない前提で相続手続きを進め、途中で不動産が見つかった場合、手続きは振り出しに戻ります。
こんなことにならないためにも、不動産を見つけることができる司法書士や弁護士へ相談いただけると、やり直しという無駄な時間や労力が必要なくなります。
5: まとめ
相続を考えると「税理士さん」「会計士さん」という言葉を目にすることがあるでしょう。
今回お話しましたように、あなたが相続する内容によっては、税理士さんへ依頼されてよいと思います。
しかし、
不動産があるのかどうかわからない。
おそらく不動産はあると思う。
持ち家に住んでいる。
このような場合、司法書士や弁護士へ相談されることをおすすめします。