相続の相談はどこに?あなたは家族親族が仲良く相続するためにこんな間違いをしていませんか
親御さんや親戚の方から
「相続、どうしよう・・・」と相談されたとき、あなたはこんな間違いをしていないでしょうか?
- 専門家でない友人に相談する
- 以前に相続を経験した知人に相談する
- 市役所などで行われる無料の税務相談を使う
また、こんなことを考えていないでしょうか?
- 自分ではじめれば何とかなるだろう
- 放置してもたぶん大丈夫だろう
- 相続って自分がするって言えばOKなんじゃないの?
もし、このような内容にあてはまっているのなら、今すぐこの記事を最後まで読み進めてもらいたいと思います。
それでは、相続の手続きを相談するポイントについてお伝えしていきます。
1: 相続相談できる専門家とは
相続を相談する相手として適切なのは「専門家」です。
と言いますのも、友人や知人、または遠縁の親族の中に相続を経験された方がいらっしゃったとしても、あなたとその方とでは状況が全く違っています。
相続をする財産や債務、モノや建物などが、あなたと全く同じ状態の人はいません。
家族や親族の数だけ、相続する状況がありますから、臨機応変に正確なことを返答できるのは、経験豊富で専門的な知識のある専門家しかいないのです。
では、相続手続きの専門家には、どのような人がいるのでしょうか。
(1)弁護士
法律の専門家です。
法律に関しては全て対応できるのが弁護士さん。
当然、相続に関する手続きも出来ます。
でも、弁護士さんはあまり積極的に相続の手続きを受けておられません。
相続に関して弁護士さんが必要となるのは、あまりうれしくありませんが、
「相続する人同士が、もめたとき」
この場合「紛争」ということになり、弁護士さんが登場することになります。
ですから、最初から「もめる」ことが予想されている場合はともかく、そうでないなら最初に相談するところではありません。
(2)税理士さん
税金の専門家です。
税理士さんは、相続する中で出てくる「税金」についてサポートしてくれます。
でも、具体的な相続手続きを行うところではありませんので、最初に相談するところではありません。
(3)司法書士
相続を円満に完了させるのが司法書士です。
多くの場合、遺産の中には建物や土地(不動産ですね)が含まれていますから、相続したときの名義変更や登記を行う必要があります。
この部分は法務局というところで行うのですが、法律上、法務局での手続きを代理できるのは司法書士と弁護士だけです。
また、相続人の調査や戸籍謄本を集めるなど、あなたが自分で行うと時間とお金が必要となる面倒な部分を、司法書士は肩代わりしてスムーズに進めてくれます。
2: 最初に相談するなら司法書士
このような専門家がいるのですが、説明させていただきましたように、相続について最初に相談するなら、
「司法書士」
が最適です。
先ほども少しお話しましたが、司法書士には次のような特徴があります。
- 不動産についての専門家である
- 相続についての専門家である
- 相続の最初から最後までを、あなたに寄り添って提案できる
さらに、
- 親御さんがお一人になられたとき、成年後見人として関わらせていただける
- 弁護士さん、税理士さんというそれぞれの専門家とのネットワークがある
他にも、将来、認知症などでお金関係を含めて判断能力が低下してくるような場合、相続から同じ司法書士が関わっていることで、本人さんもお子さん達も安心できるというメリットがあります。
このようなメリットが司法書士にはありますが、相続という目の前のことだけを見ても、
あなたが自分で相続手続きをしようとすると、必要となってくる
- 相続人の調査と把握
- 相続する遺産の調査と評価
- 家庭裁判所へ提出する書類の作成
- 相続人全員の戸籍謄本のとりまとめ
- 相続人全員の実印と印鑑登録のとりまとめ
これらの時間と交通費が必要となる面倒なことを、司法書士が肩代わりすることができます。
平日に有給を取って銀行や役所の窓口へ行く。
土日を使って親族のところへ行って話をする。
夜は他の親族へ電話して進み具合を聞いて、次の予定を立てる。
おそらく、相続がおわるまで、あなたの貴重な休日や平日の時間が、どんどんと無くなっていくことでしょう。
3: 依頼先を間違えるとこんなこともあり得ます
でも、焦って依頼先を間違えるといけません。
例えば、行政書士さんに相続手続きを依頼した場合、
相続する遺産の中に不動産がなければ問題ありません。
行政書士さんで相続手続きが完了します。
しかし、依頼した後に調べた結果、不動産があったなら。
この時点で行政書士さんでは、不動産に関する相続は扱えませんので、もう一度相続手続きのやり直しとなる場合があります。
また、税理士さんにお願いした場合も、同じようなことが起こりえますので、
「絶対に相続する遺産に不動産はない」
という強い確信がない限りは、司法書士を選んでおくのが安心です。
4: だからって、放置すると面倒なことにも・・・
ここまでお話してきまして、もしかするとあなたは
「もう、面倒だし、放置しておこうか」
と、心のどこかで考えられたかもしれません。
確かに、放置したとしても、あなたにペナルティはあまりありません。
でも、将来、あなたが住んでいる家の名義を、親御さんからあなたへ名義変更しようとしたとき、
相続人の中に、未成年者が出てきたとすると、大変手続きが複雑になります。
また、相続人の中に「認知症」の方がいらっしゃるようになると、ご自身で判断できないため代理人が必要になるので、これまた複雑な手続きとなります。
ですから、面倒だと感じても放置するのではなく、将来の安心を手に入れるため、専門家に相談して相続の手続きを進めてもらいたいのです。
5: まとめ
相続は、ひんぱんにあることではありません。
ですから、誰に相談すればいいのかわからないものです。
そんなとき、今回の話を思い出していただき、お近くの司法書士へご相談いただきたいと思います。
相続の手続きは、最初が肝心です。
間違った選択をせず、スムーズな相続を目指してください。