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任意後見と法定後見はどっちが優先されるのか?|成年後見制度

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任意後見と法定後見はどっちが優先されるのか?|成年後見制度
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成年後見制度には、「法定後見」と「任意後見」のふたつの種類があると『【初心者向け】成年後見制度が3分でわかる!成年後見人でもある司法書士がわかりやすく解説!』でご紹介しました。

もしも、このふたつの制度が競合する場合はどちらを優先することになるのでしょうか。

 

そもそも競合する場合ってどういうとき?

 

任意後見制度は、「本人」と「後見人候補者」のふたりで契約を結びます。そうすると任意後見契約がされていても、次のような事情から「法定後見」の申し立てがされてしまう場合があります。

 

  • 「後見人候補者」以外の者が任意後見契約を知らずに申し立ててしまう
  • 候補者が後見人になることが納得できずに、他の親族が申し立てをする

 

このようなケースにおいての法定後見と任意後見の「優劣」や「例外的な取り扱い」について、わかりやすく解説したいと思います。

 

1 法定後見と任意後見の優劣

指示棒で教えている人

「法定後見」と「任意後見」が競合するようなケースでは「任意後見」が優先されます。

法定後見の申立人が、任意後見契約の存在を知っているかどうかは関係ありません。申立人の主観にかかわらず任意後見が優先します。

任意後見契約に関する法律第10条

任意後見契約が登記されている場合には、家庭裁判所は、本人の利益のため特に必要がると認めるときに限り、後見開始の審判等をすることができる。

少しわかりにくいかもしれませんが、要するに「法定後見を利用しないと本人が大きな損失を負ってしまうような特別の事情がないかぎり、任意後見を優先させますよ」という意味です。

 

成年後見制度(法定後見と任意後見)は、両者とも本人の利益を守るための制度です。成年後見人が本人の考えを尊重しながら生活をサポートします。

 

「なぜ、任意後見が優先されるの??」

 

法定後見は、本人の判断能力がなくなったあとにスタートするので、必ずしも本人がそのサポートを望んでいるのかはわかりません。

 

本人の考えを尊重するといっても、それはあくまで成年後見人の推測です。本人に判断能力がなくなっている以上、本人に聞くこともできません。

 

一方、任意後見におけるサポート内容は本人が事前に自分で決めたものです。その本人が希望した具体的な行動や指針に従って、任意後見人は本人を支援をしていきます。

 

繰り返しますが「成年後見制度」は、本人の利益を守るとともに、本人の考えを尊重するための仕組みです。

 

私たちの生きる世界は、自分のことは「自分で自由に決める」ことができます。自分に利益だろうと不利益だろうと、他人から強制されることはありません。

この大原則の考えからも、任意後見が優先されるのは自然な結果でしょう。

 

2 例外|本人の利益のために特に必要がある場合とは?

ポイントの画像

任意後見法10条でいう「本人の利益のため特に必要があると認めるとき」とは、どのような場合なのでしょうか。任意後見は、本人が決めた内容に従って本人を支援するので、本人の考えがダイレクトに反映されるといったメリットがあります。

 

しかしその反面、任意後見契約に定めていなかったことは何もできないといったデメリットもあります。

 

すべて当初の計画どおりに進めばいいのですが、そうもいかないでしょう。想定外の問題にぶつかるといった事態はよくある話しです。

具体例を出して説明します。

【ケース1】

最後まで自宅で生活を送るつもりだったが、大腿骨を骨折し、それが難しくなってしまった。

 

自宅を売却して、福祉施設へ入所するしかない。

 

でも、自宅の売却や施設の入所に関する契約について任意後見契約で定めていなかった。

【ケース2】

被後見人が、継続的に消費者被害にあっている。

このようなケースでは法定後見の利用を検討すべきでしょう。

「ケース1」はそのままなので「ケース2」について、なぜ任意後見ではなく法定後見のほうがいいのか説明を加えたいと思います。

 

法定後見における成年後見人に「取消権」が認められています。

 

法定後見においては、本人が強引な訪問販売の被害にあってしまったとしても、成年後見人には後日、無条件でそれを取り消すことができます。

 

しかし任意後見における任意後見人には「取消権」が認められていません。

 

強引な訪問販売にあってしまった場合、クーリングオフを使うか、詐欺や錯誤、消費者契約法違反を主張して契約を取り消したり、無効を訴えたりしなければなりません。

 

クーリングオフには期間が定められており、その期間が経過してしまうと使えません。

また、詐欺や錯誤などで契約をなかったことにするためには、それを立証しなければなりません。本人は判断能力が低下しており、当時の状況を覚えていない可能性が高く、立証するのは簡単ではないでしょう。

 

このようなケースでは本人の利益を守るために法定後見を認め、本人の利益を守る必要性があるわけです。

 

3 まとめ

法定後見と任意後見が競合するケースでは「任意後見」が優先されます。

 

それは本人の考えを尊重したいという考えからです。本人の考えを尊重できる任意後見をできるかぎり活用する方向で国も動いています。

 

任意後見は、事前に自分でどのようなサポートを受けたいのかを決めています。自分のことは自分で決めるという大原則からも任意後見を優先させることが望ましいといえるでしょう。

 

しかし、本人の考えを尊重した結果、本人も予期していなかった不利益が生じてしまう場合は、例外として法定後見を優先させ本人の利益を守ることになります。

 

 

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