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【初心者向け】認知症対策にも効果抜群の家族信託をわかりやすく解説!

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【初心者向け】認知症対策にも効果抜群の家族信託をわかりやすく解説!
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認知症対策としても注目される家族信託についてわかりやすく解説したいと思います。

✅ 認知症になると資産がロックされて使えなくなる。その対策をしたい

✅ オーナー経営者が認知症になると会社の経営がストップしてしまう。その対策をしたい

✅ 自分が亡くなったら妻へ、そのあとに妻が亡くなったら(妻の家族ではなく)自分の弟へと順々に遺産を相続させたい

これらの願いを叶えてくれるしくみが家族信託です。家族信託という言葉も広まってきましたが、その実態を知っている人は多くありません。

 

そこで、今回は使い方次第でどんな表情にも変わる「家族信託」についてわかりやすく解説していきます。

 

1 家族信託のしくみ

説明している先生

家族信託とは、「自分の持っている財産」を「信頼できる家族」に託し(預け)、その家族が「一定の目的」に従ってその財産を管理するしくみです。

 

同じような言葉で投資信託というものがありますが、この投資信託も家族信託と同じ「信託のしくみ」を使っています。

 

(比較的、聞きなれた)この投資信託を例にとって信託のしくみを覚えてしまいましょう。投資信託を知らない方でもわかるように解説していきます。

 

たとえば、あなたの手元に当面使う予定のない100万円があるとします。銀行の定期預金に預けても雀の涙ほどの金利しかつきません。

 

「もう少しリターンがほしいな」

 

「株」のひと文字が頭をよぎります。でも株の事はよくわからないし、損をしそうで少し怖いイメージもあります。「やっぱり銀行に預けるしかないのか」、そう思った瞬間、ひらめきました。

 

「そうだ!プロに任せよう」

 

自分で100万円を運用するのは難しいので、プロが運用する投資信託を買うことにしました。ただ、リスクはできる限り抑えたいと考えたあなたは、先進国に上場している会社にだけ投資する「投資信託」を購入することにします。

 

それから8か月後、あなたの口座に配当金が振り込まれました。通帳を見ると21000円が入金されています。

これが「信託のしくみ」です。

話を整理していきましょう。信託には3つの立場の人が登場します。「委託者」「受託者」「受益者」です。

本事例に当てはめると、

  • 委託者(資産を預ける人) : あなた
  • 受託者(資産を預かる人) : プロの運用会社
  • 受益者(利益を受ける人) : あなた

です。委託者と受益者は同じ人でもいいですし、違う人でもかまいません。

 

信託とは、自分の持っている「財産」を受託者に預けるのでしたね。預けた財産を「信託財産」と呼びますが、本事例に当てはめると、

  • 信託財産は100万円

です。

 

この信託財産は、信託を設定すると委託者の手を離れ、受託者の手に渡りますが受託者はこの財産を自由に使っていいわけではありません。一定の目的(信託の目的)に従って使わなくてはいけません。

本事例における「信託の目的」は、

  • 100万円を運用し年3%のリターンを目指す。リスクを抑えるために投資対象は先進国に上場している会社に限る。

といった感じでしょうか。

 

資産を持っていても、その資産を管理したり運用したりするスキルがない人が、そのスキルを持っている人に財産を託し、管理や運用をしてもらい、そこから生まれた利益を受益者がもらう」、これが信託の根本的な考え方です。

 

この考え方は「家族信託」も「投資信託」も同じです。では何が違うのかというと、「営利」を目的としているかどうかです。営利を目的としていない信託を「民事信託」といい、営利を目的としている信託を「商事信託」といいます。

要するに反復継続してお金儲けを目的としている信託が「商事信託」で、そうでなければ「民事信託」です。

  • 家族信託は「民事信託」のひとつです。
  • 投資信託は「商事信託」のひとつです。

民事信託の中でも家族間の中で信託を完了させる信託を「家族信託」と呼んでいます。

【注意】

家族信託という呼び名は法律上の名称ではありません。一般社団法人家族信託普及協会がつけた造語で、商標登録をしています。本協会が考える家族信託の趣旨を逸脱しないかぎり名称の使用については制限されていませんが、使用する際には注意しましょう。

家族信託でも投資信託と同じように委託者と受益者が「同一人物」になっていることが多いと思いますが、異なっていても問題ありません。たとえば、

  • 委託者 : 父
  • 受託者 : 息子
  • 受益者 : 母

などです。

 

「信託のしくみはわかったけど、日常生活において(家族間で)信託を使っているイメージができないな~」

 

ごもっともな意見です。またまた例を出して考えてみましょう。

 

2 家族信託を3つのステップで覚えよう!

STEP

【事例】

家族構成 : 父 と 息子

 

父は高齢で足腰も悪く、近くのスーパーに買い物に行くのも一苦労です。自宅は築20年ほどで、天井には雨染みができています。よく見るとカビが生えているようです。そろそろ天井の葺き替え(ふきかえ)も検討しなければいけません。毎年、固定資産税も納めなければいけず、他にも現状維持をするための管理も必要です。

 

さらに父としては、もしも自分が認知症になり判断能力がなくなれば家族の介護の負担を減らすために、自宅を売却しその売却代金で自分は老人ホームに入ろうと考えています。

しかし、認知症になり判断能力がなくなると自宅を売却することもできません。どうすればいいのでしょうか。

このようなケースでは自宅と現金を信託することで解決することができます。3つのステップで家族信託を設定してみましょう。

 

【STEP1】
家族信託の枠組みを決める

【STEP2】
家族信託の目的を達成するための道筋を考える

【STEP3】
出口戦略(地位の承継と信託の終了事由と残余財産の帰属)

 

家族信託の枠組みを決める【STEP1】

まず、家族信託の枠組みを決めていきます。具体的には「信託の目的」と「役割」をはっきりさせましょう。役割とは先ほどご紹介した「委託者」「受託者」「受益者」のことです。

 

もうひとつの「信託の目的」とは家族信託における憲法のようなものです。信託を設定することはゴールではなくスタートです。ある想い(目的)を実現するための手段です。その想い(目的)を見失わないためにも「信託の目的」は重要です。

(1)信託の目的

それでは本事例における「信託の目的」を考えてみましょう。

父の願いは、将来にわたって自分がこれまでと同じように安心した生活を送ることです。これがそのまま信託の目的になります。

 

本事例では建物が老朽化しており、そのまま放置すれば日常生活にも支障がでます。体が言うことを聞かなくなれば建物の現状を維持するための管理も大変ですし、「固定資産税」や「都市計画税」などのランニングコストを払うといった手間をつづけることも難しいでしょう。認知症になり判断能力が下がれば自宅を売却することはできなくなります。

これらの負担の軽減と将来への不安を解消し、これまでと同じような生活を送ることが家族信託を設定する理由(目的)になります。

 

【信託の目的】

  • 自宅を適切に管理し、父が安心してこれまでと同じような安全・平穏な生活を送ること

 

これを信託契約書に「信託の目的」として盛り込みます。財産を預かった受託者はこの目的を指針にして必要な行為を取っていきます。

ここではざっくりとした表現にしてありますが、契約書にはできる限り明確に定めましょう。

(2)役割

次に家族信託における役割を考えてみましょう。家族信託における登場人物は「委託者」と「受託者」と「受益者」でしたね。

委託者とは「信託の目的」を達成するために「財産」を(受託者へ)託す人です。受託者とは、委託者から財産を託され、委託者の代わりに財産を管理する人です。そして受益者とは信託の目的を達成した結果、利益を受ける人です。

 

この中でのキーパーソンは受託者です。家族信託が成功するかどうかは受託者の腕にかかっているといってもいいでしょう。誰を受託者にするかによって、結果は大きく変わってきます。受託者は慎重に選ぶようにしましょう。

 

【本事例における役割】

  • 委託者 : 父
  • 受託者 : 息子
  • 受益者 : 父

契約書に書く際は「住所」「氏名」「生年月日」で特定します。

 

家族信託の目的を達成するための道筋を考える【STEP2】

信託の目的である「父が安心してこれまでと同じような安全・平穏な生活を送ること」を実現できるように、ゴールまでの道筋を考えていきます。具体的には、「(1)受託者が行うこと」と「(2)受益者が受ける利益」と「(3)預ける財産(信託財産)」を決めます。

(1)受託者が行うこと(信託事務)

本事例では、天井に雨染みが出ておりカビも発生しています。このままでは衛生面に問題があり安心して生活することができませんね。目的を達成するためには受託者へ建物の保全する権限を与えておいたほうが良さそうです。

 

また、父が認知症になり判断能力が下がれば、自宅を売却し老人ホームに入りたいとの意向があります。ということは「不動産の売却」や「介護費や医療費の支払い」を行う権限も必要なようですね。

 

受託者が行う信託事務として次のような定めを置きましょう。

  • 不動産を管理すること
  • 委託者が認知症などで判断能力が下がり自宅での生活が難しい状況になった場合、不動産を売却すること
  • 前項において受け取った金員を受領・管理し、受益者の生活費および介護費の支払いを行うこと
  • 信託財産に属する金銭および預金を管理し、受益者の生活費の給付、医療費および介護費などの支払いを行うこと。

(2)受益者が受ける利益

次に「受益者が受ける利益」を考えて行きましょう。

 

『「自宅」や「預金」の家族信託における利益ってなに??イメージできないんだけど・・・』

 

「信託における利益」というと先に紹介した「配当金」などをイメージすると思いますが、金銭を受け取ることだけが利益ではありません。それをこれから実感してもらいましょう。

 

建物は何の管理もしていないとすぐにダメになりますよね。

 

「毎日のメンテナンスって大変なんだよな~」

 

この管理(メンテナンス)を他人がやってくれて建物に住みながら自由に使えるとしたらどうですか。助かりますよね。これも立派な利益です。そして自宅を売却し、その代金を受け取ることも利益です。

預けた(信託した)預金から生活費として一定額を受け取ることも利益です。何の変哲もない日常生活の中にも利益が隠れています。

 

これらを「受益権」として信託契約書に記載しましょう。

(3)預ける財産(信託財産)

家族信託とは自分の「財産」を信頼できる家族に託すしくみです。「信託の目的」を達成するためには「どの財産」を預ければいいのかを考え、決めましょう。本事例においては自宅と現金です。

 

【ポイント】

この事例を見ていると信託財産は自宅だけでもいいように思います。ですが現金を忘れないでください。自宅の価値が下がらないように管理をするためには費用がかかりますよね。その補修を滞りなくするために「一定額の金銭」が必要になります。自宅だけを信託してしまうと、受託者が自分の財布から補修費用を支払わなくなり、信託をつづけることは困難になります。ですので、このようなケースでは自宅と現金を信託します。

 

出口戦略(地位の承継と信託の終了事由と残余財産の帰属)【STEP3】

最後は出口戦略です(出口戦略の本来の意味からすると使い方が少し間違ってますが、そこは見逃してください)。具体的には「地位の承継」と「信託の終了事由」と「残余財産の帰属」を決めていきます。

【地位の承継】

家族信託には「委託者」と「受託者」と「受益者」の3つの立場の人が登場すると説明しました。

 

そして、家族信託は商事信託と違って「個人」だけで構成されています。個人である以上は死んでしまったり、何かしらの事情によって辞任したりする事態が考えられます。

 

「委託者」や「受託者」や「受益者」がいなくなった場合に備えて、そのときは誰が地位を引き継ぐのかを契約書へ盛り込んでおきましょう。

 

もしも「認知症対策」や「障がいを持ったお子さんのため」の信託であれば受託者がいなくなってしまってはすべてが水の泡になってしまいます。

 

法律上、これらの地位の承継についてのルールは一応ありますが、家族信託は信頼関係で成り立っています。信頼関係のない者が信託の枠組みに組み込まれてしまうことも避けるためにも「委託者」「受託者」「受益者」の地位の承継について定めておくといいでしょう。

【信託の終了事由】

信託をいつ終了させるのかを決めます。法律にも「こういうときは終了します」というルールがあるのですが、「信託の目的」を達成するためにも自分たちで考えておきましょう。

 

「そんなの自宅を売却できたら終了に決まっているじゃん」

 

もしもこのときに家族信託を終了させてしまうと、売却代金は使えないままロックしてしまいます。自宅を売却するのは判断能力がなくなったあとです。判断能力がなくなると銀行からお金を引き出すこともできません。

 

信託の目的を思い出してみましょう。それは「父が安心してこれまでと同じような安全な生活を送ること」です。

売却代金は、今後の父の生活費に充てるべきなのです。そうすると答えが見えてきますね。

 

【信託の終了事由】

  • 父が死亡したとき

 

実際に自宅を売却したときに家族信託を終了させるとの内容の信託契約書を見たことがあります。これでは全然、家族信託の目的を実現することはできません。

【残余財産の帰属】信託終了後に残った財産をどうするか?

信託をすると、財産は委託者の手を離れ受託者に移ります。

 

「信託が終了し、財産が残っていれば委託者に戻ってくる」

 

これが一番しっくりきますが、家族信託は短期間ではなく長期間で設定するのがほとんどで、認知症対策の家族信託などでは委託者が亡くなるまで信託は終わりません。

 

そのため、そのときに誰が財産を取得するのか決める必要があります。財産の帰属先を決めなかった場合は法律のルールに従って受け取ることになりますが、当事者で決めておくことで後々のわだかまりを避けることができるでしょう。

 

3 家族信託をはじめる方法

説明受ける老夫婦

家族信託を始める方法は3つあります。

  1. 信託契約
  2. 遺言信託
  3. 信託宣言(または自己信託)

 

【信託契約】

これは委託者と受託者の合意で信託をはじめます。両者で話し合って、「信託の目的」や「それを実現するための計画」を立てます。

 

家族信託を設計する場合としては一番多い形態でしょう。

【遺言信託】

これは(民法が定める)遺言の方式にしたがってする信託です。

 

どのような信託にするのか「委託者」の考えだけですべてを決めることができます。信託契約と違って受託者の関与は必要ありません。

 

しかし、家族信託においては受託者の働きが成功のカギを握っているといっても過言ではありません。どんなに素晴らしい計画を立てても受託者が就任を断れば、その計画は絵に描いた餅で終わりです。また信託の目的に受託者が共感をしてくれなければ委託者の考える家族信託にはならないでしょう。

 

ですので、遺言信託が委託者の単独で設定できるとはいえ受託者を無視して進めることは得策ではありません。必ず受託者に、なぜ家族信託を利用したいのかという委託者の想いを伝えるようにしましょう。

 

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【信託宣言】

これは「委託者=受託者」になる信託です。旧信託法では禁止されていた信託方法です。

 

なぜ禁止されていたのかというと、信託された財産は(その信託が継続している限り)委託者のものではなくなります。もしも委託者が破産したとしても、信託された財産は強制執行の対象にはなりません。債権者(お金を貸していた人など)は、信託されている財産には手出しが一切できなくなります。

 

これを悪用されることを恐れてこれまでは自己信託を禁止していました。しかし、自己信託の必要性とこのような詐害信託への対処方法も整備されたことから新信託法では自己信託を認めることになりました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

家族信託のしくみについてご説明させていただきました。このしくみを使うことによって様々な願いを叶えることができるようになります。

  • 認知症対策
  • 経営権のスムーズな承継
  • 何世代にわたっての遺産の承継

この記事を読み、家族信託の大まかなイメージを持っていただければ幸いです。

 

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