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【まだ間に合う】認知症高齢者を狙った詐欺の手口とその対応策

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【まだ間に合う】認知症高齢者を狙った詐欺の手口とその対応策
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「高齢者を狙った詐欺」は年々その手口が巧妙になり、なくなるどころか逆に増えています。

 

現在、特に猛威を振るっているのが「特殊詐欺」です。わかりやすい言い方をすれば「振り込め詐欺」ですね。その代表格が「オレオレ詐欺」でしょう。何年も前から注意を促すアナウンスがされていますが、一向になくなる気配がありません。

 

さらに最近では年配の方でも「スマホ」や「タブレット」を使ってインターネットで情報を集める時代になりました。カフェや電車などで年配の方が器用に「タブレット」を操作する光景をよく目にします。この背景もあって「架空請求詐欺」も増えています。

 

総合情報サイトの利用料が1年間、滞納になっています。すぐにお支払いしていただく必要があります。

「お支払い」いただけない場合は「訴訟手続き」をとるしかありません。

詐欺師

そんなサイトを利用した覚えはないのですが・・・

高齢者

それはおかしいですね。IPアドレスや登録の電話番号を見る限り、あなたのもので間違いありませんよ。

「〇〇ー〇〇〇〇」。この番号はあなたの電話番号で間違いありませんか。

その携帯で、あなた以外の誰かが利用した可能性はありませんか。

 

ただ、話を聞くかぎりあなた自身が使った可能性は低いようなので、返金制度を使えるかもしれません。一度、全額を振り込んでもらう必要がありますが、そのあと「お支払額の95%」をお返しします。

詐欺師

(よかった。5%の支払いで済みそうだ。・・・心の声)どこに振り込めばいいですか。

高齢者

このような特殊詐欺の被害は、減るどころか増える一方です。詐欺の被害にあわないためには詐欺を知ることが効果的です。特殊詐欺には他にも、

 

  • オレオレ詐欺
  • 架空請求詐欺
  • 融資保証金詐欺
  • 還付金等詐欺
  • 金融商品等取引名目
  • ギャンブル必勝情報提供名目

などがあります。

 

しかし、認知症高齢者が気をつけたい詐欺はこれだけではありません。もっとも注意を払うべき詐欺は「訪問販売」です。なぜ特殊詐欺よりも「訪問販売」詐欺に気を付けたほうがいいのかも含め、今回はその真相と対策をご紹介したと思います。

 

1 なぜ「訪問販売」詐欺が危険なのか?

リフォーム詐欺

認知症などで判断能力が下がると、「当たり前」が当たり前ではなくなります。自分にとって必要なものなのか、そうではないのかを判断するのも難しくなってしまいます。誰が聞いても「うそだ~」と分かるような話を真実だと思い込んでしまいます。

 

認知症になると、自分に必要のないものを「詐欺師」の巧みな話術にのせられて商品を買ってしまいます。一度、詐欺師に「騙せる相手」と思われると、彼らは何度もやってきます。同じ商品でもお構いなしに売りつけてきます。

 

「その不良品は、前にも買ったから必要ありません」

 

判断能力が下がるとこれがわからなくなります。正常な判断能力があれば、たとえ一度、騙されたとしてもその経験から同じ詐欺に引っ掛かることは少ないでしょう。

ですが、判断能力が下がると何度も同じ詐欺に引っ掛かってしまいます。

 

ほかにもリフォーム詐欺に引っ掛かり、詐欺師に誘導されるまま高額な費用を払ってしまうケースもあります。突然、あなたの家に押しかけてきて無料で家の点検をはじめます。無料なのでついつい言葉に甘えてしまいます。

 

これはまずいですね。国が定める耐震基準を満たしていません。いつ倒壊してもおかしくない状態ですよ。これを見てください。(写真を指して)あなたと同じような状態で放置した結果、倒壊した写真です。

詐欺師

それは大変。でも・・・

認知症高齢者

一度リフォーム費用をお客様から全額払ってもらう必要はありますが、今なら国の助成金制度を使って全額が戻ってきますよ。

ただし、この制度を使えるのは今週中に申し込んだ人だけです。それを過ぎると全額自腹になってしまいますよ。

詐欺師

それならお金の心配もないし、申し込まない理由はないわね。

認知症高齢者

もちろん国の助成制度はうそです。このような「アポなしの訪問販売でお金を請求され、国の助成制度でそのお金は全額が戻ってくる」、ふつうなら怪しみます。役所に助成金の制度があるのか確認します。専門家の意見を求めることもあるでしょう。

 

しかし認知症になると、このふつうの行動が取れません。詐欺師に言われたまま誘導され、お金を支払ってしまうのです。

 

詐欺師(騙す側)にしてみれば、「訪問販売詐欺」は振り込め詐欺のように手の込んだ準備も必要なく、ずっと簡単にお金をだまし取ることができます。これが認知症高齢者は訪問販売に狙われる理由です。

 

 

2 詐欺だけじゃない|ふつうの訪問営業にも危険がいっぱい!

訪問販売

認知症の方が気をつけなければいけないのは、何も詐欺だけではありません。ふつうの訪問営業にも危険が潜んでいます。

 

私が区役所から相談を受けた案件の話しです。本人の収支を確認していると、毎月の保険料の支払いが10万円を超えている人がいました。どのような経緯でそんな状態になってしまったのかは定かではありませんが、複数の保険会社で同じような保険に入っていました。

 

営業マンに言われるがまま契約をしたのでしょう。その方は家族がいませんので、生命保険の必要性は高くありません。それでも高額な死亡保険金がもらえる保険に入っていました。

 

ほかにも証券会社の証券マンに言われるがままに売買を繰り返している人もいました。

 

この銘柄はオススメです。今のうちに買っておいて損はないと思いますよ。

証券マン

それから数週間後

いま株式市場は急落しているのですぐに売って、ほかの銘柄を仕込んでおきましょう。

証券マン

それから数週間後

もっと魅力的な会社が見つかりました。この前の会社は売ってこちらに乗り換えましょう。

証券マン

これがずっと繰り返されます。冷静に考えると、ここにもおかしな点があります。証券会社は「手数料」で稼いでいます。客が儲かろうが損をしようが、売買を繰り返してもらえれば証券会社は儲かります。

 

客の立場に立つと、手数料はマイナスの要因でしかありません。世界経済が長期的には拡大していくというこれまでの歴史に沿って考えれば、売買を繰り返さずに一度買ったら売らずに長期保有をすることが一番損をしない運用方法です。

 

個別の会社だと倒産のリスクがありますので、「日経平均」や「NYダウ」などの指数に連動したインデックスファンドを一度買ってずっと持っていることが一番損をしない運用といえるでしょう。

 

少し話が逸れてしまいましたが、売買を繰り返すことは証券会社の売り上げに貢献するだけで、本人は損をする可能性が高いです。

 

「判断能力に問題のない方」は何度か失敗を繰り返すことでこのパラドクス(矛盾)に気が付くことができますが、認知症によって判断能力が下がっていると気が付くことができずに、営業マンのカモにされてしまいます。

 

この営業マンたちは詐欺をしているわけではありません。適法な営業をして契約を取っているだけです。詐欺と違って取消しもできません。

 

認知症高齢者が身近に抱えている危険は詐欺だけではないということを覚えておきましょう。

 

3 対策|どうすればいいの?

説明している先生

認知症の方は「どんなに損をしても」「何度、騙されても」自分が被害者だと思うことは難しい状況にあります。そのため、認知症高齢者の被害を少なくするためには、家族の協力が必要不可欠です。

 

一緒に生活していれば問題ありませんが、別々に住んでいる場合は普段からこまめに連絡を取り合って、定期的に家を訪れる環境を作ることが大切です。

 

先ほどご紹介したように認知症の方の被害は「訪問販売」が多くなる傾向があります。訪問販売の予防は何といっても詐欺師と会話をしないことです。詐欺師と話ができる環境を作ってはいけません。もしも家に居るときにインターフォンがなっても一人では対応しないようにしましょう。ヘルバーさんや家族と一緒にいるときに対応しましょう。

 

繰り返しになりますが「認知症高齢者の詐欺被害」を予防するためには、家族の協力が必要不可欠です。

 

  • 家族が遠方に住んでいてサポートできない
  • 家族の仕事が忙しくてサポートが難しい
  • そもそもサポートしてくれる家族がいない。

 

このようなケースでは「成年後見制度」を利用することをオススメします。

 

成年後見制度では、成年後見人という支援者をつけ、本人がこれまでと同じように安心した生活が送れるように二人三脚でサポートをしていきます。

 

もしも高齢者が詐欺にあったとしても、その行為をなかったことにするのは実は難しいのが現状です。クーリングオフ制度は期間の制限がありますし、詐欺を理由に取り消すためには、その詐欺を立証しなければいけません。詐欺師は証拠を残さないように入念に準備をしています。認知症で判断能力が下がっていると当時の状況を思い出すだけでも難しいでしょう。

 

その点、成年後見制度を利用していれば、本人のした「不利益な契約」をかんたんに取り消すことができます。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

詐欺に騙されないためには、詐欺を知ることが大切です。ですので、認知症高齢者を狙った手口をご紹介させていただきました。

しかし、認知症高齢者は判断能力が下がっているため「自分で自分の身を守る」ことは容易ではありません。家族が詐欺にあわない環境を作り出すことが何よりも大切です。

「自分たちには関係ない」とは思わずに事前対策をしっかりとするようにしましょう。

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