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相続登記を自分でするための5つのステップ(流れ)&費用

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相続登記を自分でやるための5つのステップ(流れ)&費用
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相続登記を自分でやろうと思い立っても、まず頭をよぎるのが、

 

何から手を付ければいいのだろう

 

これではないでしょうか。

 

相続登記は人生で何度も経験することではありません。相続登記について明確なイメージを持っている方は多くないでしょう。

 

そこで、今回は相続登記を自分でするための5つのステップをご紹介したいと思います。

 

1 相続登記をするための5つのステップ

STEP

まずは「全体像」を把握しましょう。これはすべての手続きに共通していえることです。

 

はじめから一つ一つのステップを深堀(ふかぼ)りするのではなく、なんとなくでいいので全体のイメージを持ちましょう。

 

コツは細かい点は「あえて見ない」ということです。

 

細かい点に気がつくことはいいことです。でも全体像を把握できていない段階で、細かい点を調べだすと迷路に迷い込んだように抜け出せなくなってしまいます。

 

まずは全体の流れを覚えていきましょう。

 

                   【STEP1】
                   相続人の調査

                   【STEP2】
                   不動産の調査

                   【STEP3】
                   遺産分割協議

                   【STEP4】
                   相続登記の申請

                   【STEP5】
                   登記識別情報の受領

 

次に、各ステップの内容を細かく見ていきます。

 

1.1 相続人の調査

【STEP1】

相続は、遺産を「相続人」が引き継ぎます。相続人がはっきりしていなければ、何もはじまりません。

 

「相続人は、オレに決まっているだろう」

 

あなたにとってはそうかもしれませんが、赤の他人からすれば「あなたが相続人である」ことは当たり前ではありません。

 

「じゃあ、どうすればいいんだ」

 

公的な証明書を取りつけてあなたが相続人であることを証明しましょう。

具体的には「戸籍」です。

 

ポイントは「出生から死亡まで」のすべての戸籍を取ることです。「人ひとり」の戸籍はひとつではありません。たくさんあります。

 

戸籍は次のようなことが起こると、新しく作り替えられてしまいます。

  • 法律の改正
  • 転籍
  • 結婚
  • 離婚
  • 養子縁組
  • 離縁

など。

 

出生から死亡まで、間が空かないようにすべての戸籍を取り、相続人を調査します。

 

 

1.2 不動産の調査

【STEP2】

亡くなった方の持っていた不動産を調べます。

ここでは先入観は捨てましょう。

 

「父の持っていた不動産はこれだけだ」

 

この考えが頭に浮かんだとしても、一時忘れてください。先入観は捨てて一から探します。

 

まずは家宅捜査です。

家を探して不動産を特定できる資料がないか、見つけてみましょう。

 

  • 不動産の権利証
  • 固定資産税の納税通知書
  • 不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)

 

次に、市区町村役場へ名寄帳を請求します。

名寄帳は簡単に言ってしまうと「誰が」「どの不動産」を持っているのかが記録された帳簿です。

 

不動産が特定できたら、法務局へ登記事項証明書を請求しましょう。

 

そこに不動産の細かい情報が載っています。

具体的には、

  • 所在地
  • 大きさ(面積)
  • 種類や地目(宅地・畑など)
  • 所有者が誰か
  • 担保が付いているか

などがわかります。

 

見るポイントは「所有者が誰か」と「担保に入っていないかどうか」です。

 

もしも、『所有者が「おじいちゃん」になっている』『知らない人の抵当権がついている』などの事情があれば、手続きが複雑になります。

 

 

1.3 遺産分割協議

【STEP3】

「相続人みんな」で不動産をどうするのか、よく話し合いましょう。

自分の意見を押し付けるのではなく、相手の声に耳を傾けてください。

 

遺産分割には次の3つの分け方があります。

 

  • 現物分割
  • 換価分割
  • 代償分割

 

自分たちにあった分割方法を見つけ、話し合ってください。

 

どの遺産分割が自分たちに合っているかが分からない方は、『兄弟でモメないために遺産分割の前に知ってほしい事&遺産分割の方法や種類まとめ』をお読みください。

 

1.4 相続登記の申請

【STEP4】

相続登記とは、不動産の名義を亡くなった方から「相続人」に変更するための手続きです。

 

これまでのステップの集大成です。これまでの作業を法務局へ報告し、名義変更をしていきます。

 

「相続人の調査」「不動産の調査」「遺産分割」を証明する次の書類とともに登記申請書を法務局へ提出します。

 

  • 相続関係説明図
  • 遺産分割協議書
  • 被相続人の戸籍(出生から死亡まで)
  • 被相続人の住民票または住民除票
  • 相続人全員の戸籍
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 不動産取得者の住民票
  • 不動産の固定資産評価証明書

 

参考までに登記申請書の例を紹介します。一番かんたんな書式です。

※すべてのケースで使えるわけではありませんのでご了承ください。

 

登記申請書

 

登記の目的 所有権移転

原   因 平成29年11月30日相続

相 続 人 (被相続人 司法太郎)

東京都台東区〇〇一丁目〇番〇号

司法 一郎

 

添付情報  登記原因証明情報 住所証明情報

 

□ 登記識別情報の通知を希望しません

平成30年10月16日申請 〇〇〇法務局〇〇〇支局

 

課税価格 金3000万円

登録免許税 金12万円

 

不動産の表示

所  在  東京都〇〇区〇〇一丁目
地  番  23番1
地  目  宅地
地  積  110・23平方メートル

 

所  在  東京都〇〇区〇〇一丁目23番地1
家屋番号  23番1
種  類  居宅
構  造  木造瓦ぶき2階建
床  面  積  1階 45・22平方メートル
2階 23・43平方メートル

 

 

1.5 登記識別情報(権利証)の受領

【STEP5】

登記識別情報とは、不動産の所有権を証明するものです。

これは不動産取引をする際には、何かと要求されます。

 

  • 不動産の売却
  • 融資を受けるために不動産を担保に入れる
  • 住宅ローンの借り換え

 

これらの行為をするためには登記識別情報が必要になります。

 

相続登記は申請して終わりではなく、必ず登記識別情報を受け取るようにしましょう。

 

2 相続登記の費用

会計士の画像

相続登記をするためには「お金(費用)」がかかります。残念ながら、これは避けることができません。

 

相続登記は人生で何度も経験するものではありません。この経験することが少ない相続登記の費用を知っている方は多くないでしょう。

 

そこで相続登記の費用についてご説明したいと思います。

 

相続登記の費用としてかかるお金は次の「ふたつ」です。

 

  • 司法書士報酬
  • 実費

 

実費の中身を詳しく見てみましょう。

 

  • 登録免許税
  • 不動産の調査費
  • 戸籍や住民票などの手数料
  • 郵送費

 

【登録免許税】

法務局へ相続登記を申請すると税金がかかります。この税金を「登録免許税」といいます。

 

具体的な計算方法は、

  • 固定資産評価額 の 0・4% = 登録免許税

です。

 

具体例で考えてみましょう。

例えば、土地:2000万円・家:500万円の不動産について相続登記をするとします。

 

その時の登録免許税は、

(2000万円+500万円) × 0・004(0・4%)= 10万円

です。

この不動産について相続登記をするためには10万円を法務局へ納める必要があります。

【不動産の調査費用】

不動産の調査として次の書類を取り付けます。

 

  • 不動産の登記事項証明書
  • 固定資産の評価証明書
  • 公図
  • 地積測量図
  • 区画整理関係図面

など

 

「登記事項証明書」は、不動産の細かい情報を調べるために必要なのでしたね。

 

「評価証明書」は、登録免許税を計算するめに必要になります。この書類に「不動産の評価額」が書いてあります。

 

その他の書類は、名寄帳や納税通知書からはわからない非課税地を調査するために取り付けます。

【戸籍や住民票などの手数料】

相続人を調査するために、あるいは相続人であることを証明するために戸籍や住民票を集めることになりますが、これを発行してもらうためには役所に手数料を支払わなければいけません。

 

一般的な手数料をご紹介します。

 

  • 戸籍謄本    450円
  • 除籍謄本    750円
  • 改製原戸籍   750円
  • 戸籍の附票   300円
  • 印鑑証明書   300円
  • 住民票     300円
  • 不在籍証明書  300円

 

手数料は条例で定めているため各自治体により多少異なります。上記の金額はあくまで目安です。

【郵送費】

これまで紹介した戸籍や住民法などを郵送で取得される方もいるでしょう。

 

その際にかかる郵送費のことです。

 

3 相続登記にはパターンが3つある

教える人

これまで説明した相続登記の流れは、相続人全員で遺産分割の話し合いをする基本パターンを前提に話を進めてきました。

 

しかし、相続登記には他にも2つのパターンがあります。全部で3パターンです。

 

  1. 遺産分割をして相続登記をする
  2. 遺言に従って相続登記をする
  3. 共有名義で相続登記をする(遺産分割をせずに)

 

一つ一つ詳しく見ていきましょう。

 

【遺産分割をして相続登記をする】

これまで説明させてもらった相続登記の基本パターンです。

 

相続人たちの置かれている状況にあわせて、誰が不動産を取得するのか自由に決めることができます。

 

法定相続分を完全に無視して、特定の相続人がすべての不動産を相続しても問題ありません。農家の家系であれば、農業を引き継ぐ相続人に農地をすべて相続させることもできるわけです。

 

おそらく日本で一番利用されている相続登記のパターンでしょう。

【遺言に従って相続登記をする】

被相続人が遺言書を遺していたケースです。この場合は、遺産分割をする必要がありません。

 

例えば、次のような遺言があったとしましょう。

 

A不動産は長男が相続する

 

被相続人が亡くなると、「何をしなくても」「亡くなった瞬間」からA不動産長男のものです。

 

ほかに相続人がいても共有になることはありません。共有ではないため、共有状態を解消するための手続きである遺産分割協議はする必要がないのです。

 

もしも被相続人が遺した遺言書に、どうしても従いたくない場合には遺産分割協議をする方法もあります。

 

こちらを詳しく知りたり方は『遺言書と遺産分割協議の優劣|その相続登記、間違っていますよ!』をご覧ください。

【共有名義で相続登記をする】

これは遺産分割協議をせずに法定相続分で相続登記をすることです。

 

例えば、次のような相続があったとします。

 

相続人 : 妻・長女・二女
遺産  : A不動産

 

法定相続分は、

 

  • 妻  → 2分の1
  • 長女 → 4分の1
  • 二女 → 4分の1

 

ですね。

 

『遺産であるA不動産について、「妻2分の1・長女4分の1・二女4分の1」の所有割合で相続登記をする』

 

これが最後のパターンです。

 

4 まとめ

 

いかがでしたでしょうか。

相続登記を自分でするためには、まず全体像をイメージできるようにしましょう。

 

全体像が把握できたら、各ステップの内容に移ります。

はじめから細かい作業に着目してしまうと、迷路から抜け出せなくなってしまいます。

 

まずは全体のイメージを持ちましょう。

 

 

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