不動産の相続を自分で手続きするメリットとデメリット
ご両親から
「そろそろ家の相続を考えているから、どうすればいいか調べてくれない」
と言われたら、あなたならどうするでしょうか。
一番に思いつくのは、弁護士さんや税理士さんに相談するということではないでしょうか?
すでに、不動産の登記などを経験された方であれば、司法書士という選択肢を思いつかれるかもしれません。
でも、「お金かかるよね」というのも、同時に頭をよぎることでしょう。
そこで、「自分でやろうか」と考える方もいらっしゃいます。
今回は、そんなあなたに、不動産相続の手続きを自分でやる場合のメリットやデメリット、方法などをお話していきます。
1: 不動産相続の手続きを自分でするメリットとデメリット
最初にお伝えしておきますと、不動産の相続手続きは、専門家でなくても行うことができます。
大型書店へ行く。
図書館へ行く。
そうすると、不動産相続の手続きに関する情報がありますから、それを見ながら進めることが可能です。
そんなことを覚えておいていただきながら、自分で手続きを進めたときのメリットとデメリットを見てください。
- メリット
(1)士業へ払う相続手続きに必要な手数料がゼロ円
(2)相続手続きの方法が覚えられる
(3)疎遠になりがちな相続人同士の交流が深まる
- デメリット
(1)不動産相続の手続きについて覚える必要がある
(2)平日に役所へ行く必要がある
(3)平日に法務局へ行く必要がある
(4)相続人が複数いる場合には、必要な書類を集めないといけない
(5)仕事を休むことが増える
(6)相続人に未成年者や認知症の方がいらっしゃると、さらに手続きが複雑化して時間がかかる
ご自身で不動産相続の手続きをすることは可能なのですが、実際に行うと、予想以上に「時間」「交通費」が必要となってきます。
役所や法務局へ足を運ぶのも、1度だけならいいですが、少しでも記載漏れや間違いあると、もう一度足を運ばないといけません。
慣れていないと1度でOKになることは少ないですから、最低でも2度は行くことになると思います。
このように見ていくと、不動産相続の手続きを自分でするなら、
- 時間
- 費用
この2つに余裕を持てるかどうかを気にしてもらうのが良いと思います。
2: 手続きを自分で行う方法
では、どのような手続きを行うのか、流れをお話していきます。
必要になる書類や、書類の書き方については、役所や法務局でお聞きいただくのがベストです。
それでは、流れを見ていきましょう。
(1)不動産を調査
遺産の中にある不動産を調査して情報を集めます。
そして、不動産を管理する法務局を調べておきます。
その後、法務局から不動産の正確な情報「登記簿謄本」を取り寄せます。
ここで、不動産の正確な所有者がわかります。
(2)戸籍謄本を集める
一番大変なのがここです。
亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本。
シンプルな場合でも、これらの戸籍謄本を集めてください。
ここでのポイントは「出生から死亡までの戸籍」というのが大変な部分です。
何度も転籍をしていると、その分、請求する役所の数が増えてしまいますからね。
(3)固定資産税の評価証明書を準備
不動産がある市区町村の役場で取得できます。
ここまででも、意外に役所関係へ足を運ぶことがわかると思います。
(4)すべて揃ったので、相続手続きの書類を作成
「登記申請書」という書類を作ることが目的です。
ただ、あなたの相続ケースによって申請書の形式が変わることがありますので、法務局で相談して、間違えないようにしてください。
併せて、申請するときに必要な「添付書類」も確認しておきましょう。
相続のケースによって「いるもの」「いらないもの」がありますので、法務局の担当者にしっかりと教えてもらいメモしておくのがおすすめです。
ご自身で手続きされる場合でも、ここの部分だけは専門家に相談されるのがスムーズだと思います。
(5)完成したら法務局へ
「登記申請書」を法務局へ届けます。
郵便でもOKですが、窓口の方が気になることや、書き方がわからないので空けていたところなどを相談できます。
でも、平日しか開いていないのは変わりません。
(6)意外に大事、完了確認
登録申請した後、本当に名義が変更されたのか。
不備があって止まっていないのか。
法務局で「完了書類」を受け取っておきましょう。
概略だけをお話しましたが、これだけでも、役所関係に何度も足を運ぶことになります。
3: なぜ司法書士に依頼するのがおすすめなのか
ここまでお読みいただいたのならおわかりかと思いますが、このような面倒な手続きや、戸籍を集めること、不動産を調べることなどという、慣れないことをやらなくてもいい。
これが相続手続きの専門家である、司法書士へ依頼する理由です。
まして、依頼しておけば、何度も役所へ足を運ぶこともありませんから、お仕事を休む必要もありません。
休日に、難しい書類を前にして、頭を抱えてわかりにくい文章を読みながら格闘することもありません。
確かに依頼すると手数料は必要になりますが、お金では取り返せない「貴重な時間」を自由に使うことができるのです。
お子さんと遊ぶこともできるでしょう。
家族で買い物へ出掛けることもできるでしょう。
家でイライラすることもなくなります。
あなたにとっては、依頼する手数料か、貴重な時間を自由に使うのか、どちらが大切でしょうか。
あなたが大切だと思う方を選んでもらえれば幸いです。
4: 安心して依頼できる司法書士の特徴
最後に、安心して依頼できる司法書士の特徴をお伝えしておきます。
報酬体型がはっきりしていること。
どこで事務所を開いているのか。
このようなポイントがありますが、もっとも大切なのは
「不動産を含めた相続手続きの経験がどれだけあるのか」
不動産の相続だけではなく、相続全般に詳しい人を選んでもらいたいです。
不動産が遺産にあるということは、他にも遺産があるはずです。
相続という大きな視点で相談できる司法書士が安心できる人だと言えます。
5: まとめ
不動産の相続手続きは、自分でやることはできます。
ただ、今回お話しましたように、時間と費用に余裕のある方なら「できる」と思います。
故人の整理や、自分のお仕事、家庭のことなどが重なっている状態では、なかなか手続きに時間をさくことは難しいのが実状です。
あなたの状況を見極めて、必要であれば司法書士へ依頼してください。
きっと、スムーズに手続きが終わり、あなたは自由になる時間を手に入れることができると思います。
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